昔のやくざ映画などを見ると、怖そうなお兄さんを怒っている親分、タバコを喫いながら怒っている姿ってとても迫力がありましたね。
これがピーナツチョコレートを食べながら怒っていても、全く迫力ないですよね。
あるいはアメリカ映画などでは、スリムなタバコを、ちょっと気の強そうな美人の女優が喫っている。これも様になりますよね。
タバコは、きっと自己演出のツールには便利なものだったのではないか?と考えると、私も実はやってましたね。
交渉事で、気に入らない場面では、わざとタバコを取り出して、火をつける時に額にシワよせて、これ以上気に食わない顔はないという顔をして、そして黙ってタバコを喫っている。
そうすると、相手がちょっと怖気づいて、私の条件を無理やりのんでしまう。
こんなタフ・ネゴしエーターを演じることが出来たのです。
考えてみると、タバコは怖いイメージに合っているようです。
タバコの効果
やくざの親分、気の強い美人女優、交渉事で気にいらない表情など、どちらかと言えば、怖いイメージ、強いイメージで、タバコを喫っているところがかわいいとかチャーミングというイメージはあまりないですね。 これはやはりタバコという商品のもつ特徴でしょうか?
そもそも人を煙に巻く、なんて言い方があるくらいですから、まずいいイメージはない。
それにタバコは煙が出ますね。
口から吐いている分には、まだいいですが、オツにすました美人が鼻から煙を出していたらもう終わりですね。
この煙というのもいいイメージにはつながらないのでしょう。 そして吸い終わった後の吸いカスですね。これはどう見ても汚い。これもタバコをいいイメージにしない大きな原因ですね。
こんなことから、タバコは、“悪”(ワル)のイメージを連想させるツールなのでしょう。
だいたい不良高校生がまずやるのはタバコを喫うことでしたね。 これは、「俺は“悪”(ワル)になった」ということを見せ、悪くなった自分を見せることで、悪くなった自分に自信をつける、といったことではないでしょうか?
こうみてくると、世界的にも環境問題などで、クリーンなイメージが好まれることから、タバコは気分の問題としても嫌われているのではないかとも思います。
つまりタバコは健康に悪いとかなんとか理屈を言っているが、実は感情的に怖かったり汚かったりするからみんなが嫌がっているのではないか?
しかし、世界一潔癖症である日本人の女性がプカプカと歩きながらタバコを喫っているのはどうしたことか、実に不思議な現象ですね。